耐電防止仕様にすることのメリット
もっとも多く見受けられるビニールノレンタイプの製品です。
開口部の用途により、防虫仕様のもの、耐電防止のもの、耐寒タイプ、リブ付など様々な種類のものがあります。
耐電防止仕様にすることで、ビニールシート表面に静電気が起こりにくい為埃等が付きにくく、リブがカーテンに付いていることにより空間ができ、シート同士のはりつきがなくなります。
また、リブがシートにあることで、補強となり強度も高くなる為、フォークリフトなどが頻繁に通るところでは、成果を発揮します。
耐電防止とは?
シート表面に静電気が溜まるのを防ぐ仕様です。
電気特性の値を基準に考えるわけですが、
主に表面抵抗率(Ω)、体積抵抗率(Ω)、摩擦耐電圧(kv)半減時間(秒)によって表されます。
当社提供のブライキャンバスクリヤーを比較対照してみます。
<製品名:超制電109 E3000TFS>
・表面抵抗率(Ω) 10の9乗(Ω)
・体積抵抗率(Ω) 10の9乗(Ω)以下
・摩擦耐電圧(kv) 0.10(100V)
・半減時間(秒) 0.4秒
<製品名:耐電防炎 E3000TFW>
・表面抵抗率(Ω) 10の11乗(Ω)
・体積抵抗率(Ω) 10の10乗(Ω)以下
・摩擦耐電圧(kv) 0.28(280V)
・半減時間(秒) 1.7秒
表面抵抗率(Ω)とは?
表面抵抗率とは、同一面に電極を置き測定した抵抗値(率)です。 10の9乗(Ω)とは電気を通す導電ではありませんが、表面上の静電気を逃がすには十分な値です。 ※制電防止ではない一般の塩ビシートは、10の13乗程度で表面に静電気が溜まります。
体積抵抗率(Ω・cm)とは?
体積抵抗率とは、ビニールシートの裏表に電極を置き測定した抵抗値(率)です。 10の9乗(Ω・cm)以下とは表面だけではなく、シート裏面においても静電気を逃がすには十分な値です。(以下という表現は、最大でも10の9乗までということです) ※静電気の逃がし方には、一般の塩ビシートの表面に表面抵抗率の低い塗料を塗る場合があります。(耐電防止スプレーなど)この場合、シートの表面抵抗率は低くなり、体積抵抗率は高くなります。
摩擦耐電圧(Kv)とは?
実際にビニールシートの表面を布などでこすった時に発生する電圧です。 0.1kv(100V)はかなり低い値だと言えます。 ※一般塩ビシートでは10kv(10000V)程の高圧が発生します。
半減時間(秒)とは?
ビニールシート表面上で発生した静電気が逃げる速さ時間で表したものです。上記の仕様表にある0.4秒という時間は、静電気が発生したことを感じられない時間です。 ※一般塩ビシートでは静電気を逃がすのに、数分~数秒の時間がかります。 超制電109の値が高い為に、耐電防炎E300TFWが劣っているように感じてしまいますが、通常それほど埃、粉塵等が多い作業環境でなければ、十分対応できる製品です。